「殺人に『簡単』なんて言葉、絶対使うな」
かなり険のある言い方だったが、美弥は反抗しなかった。
与崎も、過去に何かあったのかもしれないし。
「まあ、とりあえず銃は俺の方で何とかしておく。で、残り二つは?」
与崎は多少落ちついたのか、いつもの声に戻って言った。
「もちろん考えてあるよ」
美弥はスマホのマップを表示し、与崎に見せる。
「『真珠の環』の教会がここにあるの。でね、そこに真名川が信者と対談するための部屋があるみたい。だから信者が誰もいなくなって、真名川が一人きりになったところを見計らって撃ち殺す」
「どうやって侵入するんだ? 監視カメラとか、あるんじゃないのか?」
「そこで与崎の力を借りたいわけ。まず瞬間移動で私が対談室に入って、真名川を殺すでしょ。そしたら内側から鍵かけて、瞬間移動で部屋を出る。密室殺人の完成」
「それで願いも三つ使い切るってことだな」
与崎は納得したように頷く。
「ただそれなら、部屋の位置を教えてもらわねえと。人間を瞬間移動させるくらい朝飯前だが、移動させる場所が分からないとどうしようもないぞ」
「大丈夫! 親父のメモに相当詳しく書いてあった!」
美弥は手帳のページをめくった。

