落ちこぼれ悪魔の扱い方

与崎は圧倒されたように固まっているが、美弥はお構いなしだった。

「忘れられるくらいなら、忘れたかったよ。でもそれができないから、与崎に頼んでるんでしょ」


若干美弥がピリついていることを察したのか、与崎はすぐに「……そうだよな」と小さく呟いた。

「確かに、家族の死って簡単に忘れられるものじゃないよな」

そう呟く与崎の姿が、何故か咲子と重なって見えた。


そういえば、彼女も気の毒そうに美弥を見ていた。

『無神経なこと言ってごめん』と言った時の、咲子の申し訳なさそうな顔が脳裏をよぎる。


咲子は多分知っている。

私が父の復讐より、自分の身の安全を重視していることを。

……でも、与崎はそれを知らない。


美弥は反射的に笑顔を浮かべた。

「気にしないで。怒ってるわけじゃないから」


『実は父のことを覚えていない』なんて言えない。


それを言ってしまったら、きっと何かしらのしっぺ返しは来るはずだ。