「ん、何これ。……取材用の手帳?」
棚の上に手帳が置いてあった。
杜撰に放り出されている他のものとは違い、まだ比較的新しく見える。
表紙には『月刊スペクトロ』と殴り書きがされていた。
「月刊スペクトロ、って。親父が記者やってたあのオカルト雑誌だよね。確かまだ家に置いてあったような」
美弥は手帳を持ったまま部屋を出て、リビングの本棚を探してみた。
しかし雑誌類は全てファッション雑誌に置き換わっており、『月刊スペクトロ』は一冊も見当たらない。
「そういえば、遺品整理のときにまとめて捨てた気もするな」
美弥は一人で納得して頷いたが、もう父の部屋に戻る気はしなかった。
今日はもう片付けいいか、と独りごちながらリビングのソファーに寝転ぶ。
「さて、何しようかなあ」
映画でも見るかな、とタブレットを取りに行きかけ、ふと持ってきた手帳に目を落とした。
棚の上に手帳が置いてあった。
杜撰に放り出されている他のものとは違い、まだ比較的新しく見える。
表紙には『月刊スペクトロ』と殴り書きがされていた。
「月刊スペクトロ、って。親父が記者やってたあのオカルト雑誌だよね。確かまだ家に置いてあったような」
美弥は手帳を持ったまま部屋を出て、リビングの本棚を探してみた。
しかし雑誌類は全てファッション雑誌に置き換わっており、『月刊スペクトロ』は一冊も見当たらない。
「そういえば、遺品整理のときにまとめて捨てた気もするな」
美弥は一人で納得して頷いたが、もう父の部屋に戻る気はしなかった。
今日はもう片付けいいか、と独りごちながらリビングのソファーに寝転ぶ。
「さて、何しようかなあ」
映画でも見るかな、とタブレットを取りに行きかけ、ふと持ってきた手帳に目を落とした。

