落ちこぼれ悪魔の扱い方

ちょっとした沈黙の後、与崎がぽつりと呟いた。

「美弥」

「何?」

「お前、悪魔になるぞ」

美弥は「?」と思い首を傾げた。

与崎は美弥を見つめたまま、顔を逸らさず説明する。

「人殺しが死ぬと、地獄に落ちるか悪魔になるかの二者一択なんだ。俺の経験上、多分お前は地獄に落ちることはない。父親を殺されてるっていう、それ相応の事情があるからな」

俺の経験上、という言葉が気になったが、今は訊けない。

与崎は続ける。

「……ただそうなると、残された道は悪魔だけだ。ノルマを達成するまで永久に働かされる、悪魔だ」

美弥は目を見開いた。


「いいよ」とは即答できなかった。

与崎は美弥に顔を向けている。

ベール越しの視線を確かに感じた。