そりゃあんな態度だったら異常と思われても無理はないけど、それは与崎のせいだ。
いきなり引き継ぎとか言い出すから。
復讐のチャンスが失くなったことに頭が真っ白になって、何にも考えられなくなって、声も出なくなって、それで、それで……。
ドアにかけた手が震えてしまい、ドアは大きくガタッと鳴った。
中の二人組が、同時に美弥を振り向く。
ファンデーションを塗ったくられた二人の顔が、みるみるうちに血の気が引いて白くなっていった。
美弥はドアを開けた。
「……スマホ忘れちゃって」
掠れ気味の声で言うと、二人は「あ、そうなの?」と下手くそな笑顔をその顔に張り付けた。
息を殺している二人に見つめられながら美弥は自分の席へ向かい、机の中に手を突っ込む。
しかし、中は空っぽだった。
慌てて鞄の中を探すと、教科書や水筒に紛れてラベンダー色の板のようなものがちらりと見える。
咲子と撮ったプリクラが挟まれた、ラベンダーのスマホカバー。
美弥のスマホは、鞄の奥底で眠っていたようだ。
なんだ、完全な徒労だったのか。
いきなり引き継ぎとか言い出すから。
復讐のチャンスが失くなったことに頭が真っ白になって、何にも考えられなくなって、声も出なくなって、それで、それで……。
ドアにかけた手が震えてしまい、ドアは大きくガタッと鳴った。
中の二人組が、同時に美弥を振り向く。
ファンデーションを塗ったくられた二人の顔が、みるみるうちに血の気が引いて白くなっていった。
美弥はドアを開けた。
「……スマホ忘れちゃって」
掠れ気味の声で言うと、二人は「あ、そうなの?」と下手くそな笑顔をその顔に張り付けた。
息を殺している二人に見つめられながら美弥は自分の席へ向かい、机の中に手を突っ込む。
しかし、中は空っぽだった。
慌てて鞄の中を探すと、教科書や水筒に紛れてラベンダー色の板のようなものがちらりと見える。
咲子と撮ったプリクラが挟まれた、ラベンダーのスマホカバー。
美弥のスマホは、鞄の奥底で眠っていたようだ。
なんだ、完全な徒労だったのか。

