落ちこぼれ悪魔の扱い方



与崎がいなくなってから一週間。

美弥は魂が抜けたような状態だった。


ご飯は喉を通らず、夜も寝られず、一日中鏡を眺めて過ごす。

かろうじて学校には行っていたが、それも休みがち。

行ったとしても、授業も何もかもが上の空だった。



「美弥ちゃん、大丈夫?」

咲子が、何十回目か分からない言葉をかけてくる。

美弥は頷いた。

たったそれだけの動作で、前のめりに倒れそうになる。


「大丈夫じゃないよね?」

美弥は頷いた。

「同居してる人のこと?」

美弥は頷いた。

「それとも、何か別のこと?」

美弥は頷いた。


廃人のような有り様の美弥を、咲子は心配と恐怖が入り混じったような表情で見ている。


クラスメートも担任も、美弥に不気味なものを見るような目を向けてくる。

それは毛が抜け落ちた猫や縮みゆくナメクジなんかに送るような、どこか同情的な視線でもある。

バレーボールでミスをしても授業中に爆睡しても、もう誰も何も言わなくなった。


咲子だけが、泣きそうな顔で根気強く美弥に語りかけてきた。