高坂の場合は、相手の自業自得としか言いようのないものだった。
ある雑誌の読者モデルをしていた高坂は、同僚からの激しいいじめに遭っていた。
無視や陰口に始まったそれは、次第に暴力を伴ったものに発展していく。
顔などの目立つ部分ではなく、背中や二の腕といった服で隠れる部分を執拗に殴られたらしい。
度重なるいじめに耐えかねた高坂は、ある日いじめの首謀者を階段から突き飛ばして死なせてしまった。
「階段を下りてる背中が見えたから、発作的に、つい……。ほんの出来心だったのよ。
いつもあたしにしてるのがどんなことか、思い知らせてやろうと思って。殺そうなんて、そんなつもりじゃ……」
消え入りそうな声で高坂は呟く。
そのときの記憶を思い出してしまったのか、高坂は辛そうに目を伏せた。
「いじめられたあたしにも原因はあったかもしれないのに、本当に許されないことしちゃった」
高坂はその後、復讐を恐れたいじめグループのメンバーに殺害されたそうだ。
「あたしを滅多刺しにしながらその子、笑ってたわ。おかしくなっちゃってたのね。あたしのせいで__」
「先輩のせいじゃないすよ」
灰田は言う。

