落ちこぼれ悪魔の扱い方

阻止しようと別の悪魔が手を伸ばしたが、足枷のせいで届かない。


与崎は起き上がり、男から金槌を取り上げようと掴みかかる。


しかし、一足遅かった。


男が金槌を鏡に叩きつける。一回、二回。

蜘蛛の巣状のひびが、一気に鏡の上半分を覆い尽くした。


男は嘲るように笑いながら、靴の先で鏡を蹴りつける。

そこも割れた。

今無事に残っているのは、わずか四分の一ほどの面積だけだ。


男がさらに蹴りつけようと右足を上げたところで、背後から左足を引き倒されて再び床に転げた。


今度は高坂だった。

鎖に足を拘束されながらも、必死に体を伸ばして男の左足にすがり付いている。


「離せ、このアマ!」


男は容赦なく高坂の顔面を踏みつけようとした……が、またもや灰田が割って入った。

「ひとみ君!」

「ひとみ先輩!」

二人に急かされる。急がないと。


与崎は二人に背を向け、鏡と向き合う。

この面積では、とても通れそうにない。


しかし一縷の希望をかけて、与崎は半ば強引に鏡に身をねじ込んだ。