落ちこぼれ悪魔の扱い方

数秒間が空いたが、悪魔は「まあ、いいんじゃねえの」と答えた。

「人の名字みたいな名前だけど、真面目に考えてくれたんなら文句ねえわ」

「まあ、実際人の名字……いや、何でもない」

美弥は慌てて口角を上げ、誤魔化した。

「じゃあ、与崎って呼んでもいい?」

「勝手にしろ」

与崎と名付けられた悪魔は突き放すように言ったが、満足しているようにも聞こえた。

そんな与崎に気付かれないように、美弥はこっそり安堵する。

ひとまず、まともな名前を付けることができたようだ。


美弥は「じゃ、決まりね」と軽く言うと、おもむろに立ち上がりドアに向かって歩き出した。

「どこ行くんだよ?」

与崎が不思議そうに尋ねる。

「夕飯の支度。向こうにダイニングテーブルあるから、できたら呼ぶよ」

「は!? 俺も食うの!?」