落ちこぼれ悪魔の扱い方

「ああ。ピッキング、だったか? お前解錠方法詳しいんだろ。だったらお前がやれ」

灰田はバネ棒外しを手に取ったが、「……すいません、一つ謝ることがあって」と申し訳なさそうな声で言う。

「僕、ピッキング初めてなんすよ」


与崎と高坂は絶句した。

二人の反応を見て、灰田は「いや、一応知識として外し方は知ってますよ?」と慌てて付け加える。

「なんか、中のバネみたいなのを押し込むらしいっす。……ん? 待てよ、どっちかの方向に押し付けるんでしたっけ? 

ちょっと待っててくださいね、今思い出しますから」

「本当に大丈夫なの?」

不安そうに高坂が言う。

与崎も内心穏やかではなかったが、仕方ない。


「灰田しかいないんだ。俺は足だけじゃなくて、手枷も付けられてる。解錠に時間がかかるのは間違いない。

……それに、灰田の方がガタイも良い。あの男に対抗するなら、それなりに腕っぷしも強い方がいいだろ」

「えー。僕、戦うんすか?」

「もちろんだ。あいつが儀式に集中してるうちに、背後から一発かませ。それから鏡に逃げ込んで、上に俺らのことを報告してくれ」