落ちこぼれ悪魔の扱い方

「同意の上なら、なんで枷なんか付けてるんだ」

「念には念を、ってものだよ。途中で契約を破棄されると困るんでね。

特に君……なかなかに良い体格じゃないか。脱走されては大変だから、悪いがこれも付けてもらおう」

与崎には足枷に加え、手枷も付けられることになった。


こうして不本意ながら、与崎は壁際に拘束された状態でしばらく過ごすことになる。


退屈な日々だった。

他の悪魔は一様に塞ぎ込み、誰も口を聞かない。

部屋には息苦しいほど静かな空気が停滞し、時折響く誰かの鎖の鳴る音以外は何も聞こえなかった。

最初は部屋にいる全員が揃いも揃って黙っていることが不思議だったが、天井に監視カメラを見つけてからは何となく察しがついた。

失言したことがバレたら、何かあるのかもしれない。


与崎は、男が与崎を拘束するときに放った『良い体格』という言葉が妙に引っかかっていた。

与崎は上背はあるが、決して筋肉質ではない。

むしろ痩せ形の体型がひ弱な印象を与え、それがちょっとしたコンプレックスであるくらいなのだが……。