落ちこぼれ悪魔の扱い方

「俺たちは死んだ後に、犯した罪を償うために悪魔をやってんだよ。人間を救って、感謝されれば悪魔から解放される。そうなりゃ俺も晴れて転生ってわけだ」

犯した罪? と訊こうとして美弥は思い留まった。

悪魔から、静かな拒絶の意思を感じたからだ。

「えーっと、とりあえず、あなたは元人間だったけど死んだ後悪魔にされたってこと?」

「そういうことだ。三つの願いで人間を幸せにしろって言われても、これがまた難しくてな。同期はもう全員解放されたし、今じゃ俺もかなりの古株になっちまった。

……いや、古株っていうか、落ちこぼれかもな」

悪魔は自虐的に笑い、「だからさ」と続ける。

「俺のためにも、幸せになってくれよ。お嬢ちゃん」

美弥は言葉を失った。

悪魔はさっきまでの尊大な態度とはうって変わって、どこか柔らかい声をしている。

「……その、『お嬢ちゃん』って呼ぶのはやめてくれる?」

つっけんどんな言い方とは裏腹に、美弥は何となく、キザなセリフが満更でもないような気がしていた。

それが相手に伝わらないように、美弥は冷たくそっぽを向いた。