彼女の様子は薬物に溺れる中毒患者そのものだ。
前みたいな、健全なものじゃない。
しかし、与崎には彼女の耽溺を止める術がなかった。
与崎は独り魔界の寮部屋で手を組んで、彼女に再び呼び出されないことを祈るばかりだった。
必死の祈りもむなしく、その日はあっという間にやってきた。
一ヶ月も経たずして再び対面した彼女は、グロテスクに落ち窪んだ瞳で、与崎を暗く睨んでいた。
「私、分かったの」
挨拶もなしに、彼女はそう告げた。
「……。分かったって、何が」
嫌な雰囲気に冷や汗を流しながら、与崎は尋ねる。
彼女は幸薄そうな顔に満面の笑みを浮かべ、痩せた手で与崎の手を取った。
「私の運命の人は、あなただったの。私を幸せにするためだけに力を尽くしてくれた人。愛してる」
彼女は両腕を与崎の首元に絡み付かせた。
女優の真似事かと疑うほど不慣れな仕草に、与崎は静かな恐怖を感じた。
「ね。私と、ずーっと一緒にいてね?」
吐息混じりの声で囁かれ、与崎の全身は粟立った。

