与崎を最初に呼び出したのは、中学生くらいの冴えない女の子だった。
初めての仕事で緊張している与崎に、その子は開口一番こう言った。
「友だちが欲しいの」
そう言われても、魔法のようにポンと人間を生み出すわけにはいかない。
与崎は相当悩んだ。
どうすれば彼女の期待に添えるのか。
悪魔としてのキャリアはなかったが、色々考えた結果、クラスメートの心を操って彼女の友だちになってもらうことにした。
それが正しいかどうかは分からなかったが、とりあえずそれが一番手っ取り早い方法のように思えた。
効果はてきめんで、彼女はたちまち笑顔になった。
経過観察のために家を訪れると、彼女は幸せそうに友だちとの蜜月を語ってくれた。
……なんだ、これが悪魔の仕事か。簡単じゃねえか。
しかし与崎の考えは甘かった。
その幸せは、長くは続かなかったのだ。
再び与崎を呼び出した彼女は、思い詰めたような暗い顔をしていた。
「あの子、私以外の子とばっかり仲良くしてるの。私といても楽しくないみたい。
……お願い、あの子を孤立させて」
鬼気迫る表情で言われ、与崎は思わず黙り込んだ。

