灰田は目を細め、呆れたような表情で与崎を睨んでいる。
「言っちゃ悪いすけど、あの子……美弥ちゃん、でしたっけ。幸せになんかなれっこないと思いますよ。
誰だか分からないけど、復讐しようとしてるんでしょ?
幸せとか無理っすよ。悪魔呼び出して人殺そうとしてる時点で」
灰田は「先輩は依頼人に肩入れしすぎなんすよ、いつも」と不満げに口を尖らせた。
「だからいつまでも悪魔やってるんじゃないすか。
そもそも幸せにできたかどうかも判断するのは上じゃなくて悪魔本人っすし、『まあ一時的なものですが、依頼人を幸せにはできました』って上に報告しちゃえば簡単に解放……」
「それじゃダメなんだ」
与崎が断言すると、灰田はヒクリと不愉快そうに眉を動かした。
構わず与崎は続ける。
「そんなんじゃ俺の罪は償えない」
灰田は唖然とした表情で与崎を見ていたが、すぐにハッとして「罪って……」と口を開く。
「確かに話は聞いたことありますけど、でもあれは百パー先輩が悪いってわけじゃ……」
「何パーセント俺が悪いかなんて関係ない。殺人は殺人だ」
「……。それ、美弥ちゃんにも同じこと言えます?」

