落ちこぼれ悪魔の扱い方

それでも何か察してくれたのか、与崎ははくはくと口を動かす美弥を手で制した。


「でもそれは俺がお前を嫌いになったからとか、そういうことじゃない。悪いのは俺だ」

「先輩、懲戒処分になったんだよ」

灰田が口を挟む。


「ベールを付けないで出歩いたことと、上からの命令に逆らったことが決め手だね」


「上からの命令……?」

呆然と呟く美弥に、灰田は「そう」と頷く。

「願いはもう一つ叶えただろって上から言われてるのに、ずっと『あれはサービスだ』なんて拒否してたから……」

「それ以上は言うな!」

「いや、言って」

与崎は遮ったが、美弥がそれを制止する。


全てを知りたい。例えそれが耳が痛い話でも。

話の全容が明らかになれば、もしかすると、美弥が何とかできるかもしれないから。


灰田は皮肉げに笑った。

「君が海に飛び込む前に、『助けて』って言ったの覚えてる?」

「え?」

美弥はトラウマを訴える脳に鞭打って、必死にあのときのことを思い出した。


目の前に立ちはだかる信者、背後に広がる真っ暗な海、宙へと放り出される体。