落ちこぼれ悪魔の扱い方

「何なの与崎。さっきから変だよ」

「いや、変なのはこっちも重々承知なんだけど」

「分かって奇行繰り返してるの? ヤバイ人じゃん」

与崎は意味もなく街路樹を見上げた。

それからばつが悪そうに美弥へと視線を返す。

「俺、いつまでもお前と一緒にはいられないだろ。だからその、記念……みたいな……」


さっきの博物館で一体何が?


そう疑いたくなるほどの心境の変化だ。

とはいえ問いただしても曖昧な答えしか返ってこないことは予想がついたので、美弥は博物館での与崎とのやりとりを思い返した。


結構重い内容だったかもしれない。

悪魔の存在と、復讐のことについて。

美弥にとっては大きな一歩だったが、与崎にとってもそうなのだろうか。


……もしかして、早く復讐しろって圧かけられてる?


美弥を幸せにすることはもう諦めたから、ちゃちゃっと願いを叶えて次の依頼人を探したい。

そう考えている可能性もある。


「与崎、私ちゃんと幸せになれるように頑張るから」

急な決意表明に、与崎は「ん?」と眉根を寄せる。

美弥はまっすぐ与崎を見つめた。