落ちこぼれ悪魔の扱い方

与崎はそれから「矛盾するようだけど」と付け加える。

「お前のための復讐、っていうのも忘れないようにしろよ。それも多分、大事な動機付けになるから」

「う、うん。分かった」


いつもに増して真面目な口調に、美弥はドギマギする。

復讐の話をしているから過敏になっているだけだ、と言い聞かせてはいるものの、変な胸騒ぎがする。


与崎はそんな美弥に一瞥を投げかけると、踵を返した。

「帰るぞ、美弥」

「もういいの?」

「ああ。もういい」


美弥は小走りで与崎の横に並んだ。

「お昼どっかで食べてく?」

「腹減ってる?」

「いや、私はそんなに」

「じゃあ帰るぞ」

有無を言わせぬ気迫で与崎は言った。


この数分間で、何かあった……?


そんな不安に駆られてしまうほどに、与崎はどこか険しい雰囲気をまとっていた。


与崎は美弥をちらりと見て不安を感じとってくれたのか、安心させるように笑顔を浮かべた。

「なんて顔してんだよ。大丈夫だ、何としてでも復讐は成功させてやるから」

「……ならいいんだけど」

美弥はこわばる顔に、無理矢理笑みを張りつけた。