落ちこぼれ悪魔の扱い方

まさか本当に見透かされていたりして。

「悪魔って、読心術使えるの?」

「使えてたらとっくに解放されてるから」

与崎は呆れて息を吐いた。

それから真剣に目元を尖らせ、「で、父親のことは?」と追及してくる。


美弥は思わず与崎から目を逸らす。

そして必死に自分の心の中を探り、何度も自分に問いかけた。


私は今、何を感じた?


慎重に言葉を選びながら、美弥は再び与崎に目を向ける。

「自分の中の親父が『生きてる』って感じがしてきた。

ずっと遠くにあった思い出が、糸をたぐるみたいに引き寄せられた。

その思い出が手の中で重みをどんどん増してきて、私の心の比重を狂わせにきてる。……そんな感じ」

「心の比重?」

与崎に聞き返される。

美弥は解説のためにまた言葉を探した。

「えーっと、今まで私は自分と他人の間に高い壁があったんだよね。

自分より大切な存在どころか、『自分と同じくらい大切な存在』すらいなかったっていうか」

言いながら美弥は、最近の自分の様子を内省していた。