落ちこぼれ悪魔の扱い方

「一年中寒いな」

「え、それだけ?」

「他は俺も知らん。職場の中に寮があるから、職場の外に出たことねえし」

「職場って、悪魔の?」

「ああ。外観は見たことないけど、内装は教会っぽい。ステンドグラスなんかもあるし。要所要所に鏡がおいてあって、それ使って場所移動するって感じだ」

「窓は?」

「あるにはある。でも外は真っ暗で、何も見えない」

「部屋は? どんな感じ? インテリアとかこだわってたりするの?」

「インテリアも何も、そもそも家具なんて調達できねえよ。部屋にあるものなんて、簡素な机とベッドだけだ」

与崎は「退屈だろ?」と自虐的に笑った。


「だから悪魔なんてやめとけって言ってんだよ。呼び出されるまでの間は本当に何もできない。本もテレビも、何もない。できることなんて同僚と雑談するくらいだ」

「人見知りだったら最悪だね」

「最悪か……。そうかもな」

与崎はしみじみと呟いている。


同僚とは上手くやれてるの? とは訊けなかった。


「普通にいつも独りぼっちだけど」なんて言われたら申し訳なさすぎる。