落ちこぼれ悪魔の扱い方

「一応制服なんでしょ?」

「そうだけど、無いもんは仕方ねえだろ。風で飛ばされてそのままどっか行っちまったんだから」

「……後で似たようなの探してあげるよ。それか、洗濯ネットで同じようなの作ってあげる」

「いらねえ」

与崎がぼそりと告げ、もう話すことはなくなった。

沈黙が走る。

与崎は所在なさげな視線を窓へと向け、美弥は車内をぼうっと眺めた。

美弥たちは何とか座ることができたが、電車は割と混んでいた。

立っている人もそれなりにいる。


与崎の前に制服を着た女子高生が立った。

癖なのか、与崎は無意味にガーゼに手をやる。

火傷の痕は相当なコンプレックスなのだろう。


美弥が複雑な心境で与崎を見ていると、頭上から「前原さん?」という声が降ってきた。


反射的に顔を上げる。

与崎の前にいる女子高生と目が合った。


「奇遇だね! どっか出かけるの?」

 女子高生は人懐こそうな笑顔を浮かべる。

「え、えーっと、うん。誕生日だから」

「そうだったの? おめでとー!」