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そして迎えた土曜日。
美弥は朝早くから何を着るか迷っていた。
鏡が壊れているせいでどうコーディネートすればいいのか分からず、自分の勘に頼るしかない。
美弥はクローゼットから次々に服を引っ張り出し、元から汚い部屋をさらに散らかした。
デートじゃないし、そんなに気取った服じゃなくていいかな。
でも、あんまりカジュアルすぎても浮いちゃうかも。
咲子と出かけるときって、いつもどんなの着てたっけ。
美弥は耳から煙が出そうなほど悩み、結局、博物館ということで少し地味なオーバーオールと海老茶のベレー帽に決めた。
「とはいっても、本当にこんなのでいいのかなあ」
美弥は未練がましく鏡に目をやり、ぎょっとして飛び退いた。
鏡の前に、黒い封筒が落ちていたのだ。
「……な、なんだこれ」
不審に思い、美弥はその封筒を拾い上げた。
開けようとしたが、赤い薔薇をかたどった封蝋がしてある。
仕方なく封筒の上部にハサミを入れ、中に入っていた紙を取り出した。

