落ちこぼれ悪魔の扱い方

「じゃ、行こっか。今週の土曜日だから、予定空けといてね」

美弥はふと思い付いて、「まあ、与崎は特に用事もないだろうけどさ」と付け足した。


「……今週の、土曜?」


与崎は聞き返してきた。

聞こえなかったのかな、と思い美弥はもう一度伝える。

「そう、今週の土曜。私の誕生日なんだよね」

美弥がそう言うと、与崎は「誕生日だったのか?」と軽く目を見開いた。


「お前、誕生日俺と過ごすって虚しくないか」

「不可抗力でしょ、ってか外に出ても家にいても同じでしょ。同居してるんだからさ」

美弥の言葉に、与崎は「不可抗力……」と複雑そうな顔をする。

自分から言ったくせに。


「冗談だって。与崎と行けるの、楽しみだよ」

「それはそれで嘘っぽいな」

面倒なやつだ。


美弥は笑顔が固まるのを感じつつ、「それに」と続ける。

「あんまり覚えてないんだけど、その博物館、どうやら親父と来たことあるっぽいんだよね。だから、親父のこと考えるいいきっかけになるかも」