落ちこぼれ悪魔の扱い方

「そいつら、本当に幸せにはなれなかった。

 いや、最初は幸せに見えたけど、それって結局一時的なものにしか見えなかった。

……だってそいつら、欲に限りがねえんだよ。

いくら理想の見た目にしてやっても、金を渡しても、『まだ足りない』とかほざきやがる。

悪魔は無限に願いを叶ることはできないって断ると、依頼人は『中途半端だ』って掌返して俺を罵るわけだ」


美弥には何となく分かる気がした。


昔、整形依存のドキュメンタリードラマを見たことがある。

目をぱっちり二重にする手術から始まり、鼻筋を通す、口元を引っ込めるときて顎の骨まで削る。

美人のラインを通り越して加工の化け物みたいな顔になっても、本人は嬉々として整形外科に足を運ぶ。


確かに幸せそうには見える。でも満たされてはいない。


与崎は多分、そんなことを言っているのだろう。


「『父親のための復讐』って言葉が本物だったら、お前に賭けてみようと思ってた。依頼人が願いを人のために使えば、何か変わるんじゃないかって」

与崎は自分に言い聞かせるように呟いていたが、一旦言葉を止めて美弥と目線を合わせた。