落ちこぼれ悪魔の扱い方

仕方なく美弥は口をつぐみ、熱でぼうっとした脳を必死にはたらかせて考えた。


「幸せになってない、とか?」

「そりゃ当然だろ。誰か一人でも幸せにできてたら、俺悪魔辞められてるから」

低スペック脳みそを振り絞って出した答えを、与崎はいとも簡単に切り捨てる。

「じゃあ……何だろう? 全員女とか?」

美弥はとりあえず言ってみたが、反応からして外れたようだ。


与崎はため息を吐き、自分から答えを明かした。


「願いを自分のためにしか使わない、ってことだ」


ぽかんとする美弥を一瞥し、与崎はモノローグのように続ける。

「十三人もいるのに全員自分しか見てなかったのかって、思うだろ。

でも本当にそうなんだよ。

大体の願いは金持ちにしてくれとか美人にしてくれとか、そんなもん。

残りはお前みたいに、誰かを殺してくれとか。

一つの願いは自分に使って残り二つは大切な人に使うとか抜かしてたやつも、最終的には欲出して自分のためにしか使わない。

俺が見てきた人間って、そういうやつらだった」


与崎はそこで一呼吸置いて、「でも」と悲しげな響きを帯びた声で呟く。

平坦だった声に、初めて一つまみほどの感情が乗った瞬間だった。