与崎に見つめられながら食事をするという居心地の悪さを味わいながらも、美弥はあっという間にお粥を平らげた。
「ごちそうさま」
「ああ、よく食ったな」
与崎はそう言って皿を下げる。
美弥がもう一眠りしようとベッドに仰向けになると、与崎が「そういえばお前さ」と声をかけてくる。
美弥は再び上半身を起こした。
「何?」
「答えたくなきゃ黙ってても別に構わないんだけど。なんであんなことになってたんだ?」
「あんなことって?」
「ほら、玄関先で……」
「はいはいそのことね!」
それ以上言わせたくなくて、美弥は即座に口を挟む。
「あのときは頭痛が酷すぎて、少しびっくりしちゃっただけ」
「頭痛? 風邪だからか?」
「いや、それとは違うんだけど」
美弥は逡巡した。
ここは正直に『父の記憶を思い出した』と言うべきか。
でも、色々あって忘れかけていたが、与崎とは親父の記憶をめぐって喧嘩したばかりだ。
言ったらまた面倒なことになる気がする。
……しかし、与崎と父のことについてきちんと話し合ったことがあっただろうか。

