落ちこぼれ悪魔の扱い方

「やっぱりまだ眠いか?」

「いや、そうじゃないんだけど」

外界をシャットアウトしたベッドの中から美弥は言った。

「私また与崎に助けてもらっちゃったよね」


「何お前、そんなこと気にしてんの?」

間髪入れず与崎の声が飛んできた。

美弥は恐る恐る毛布の隙間から与崎の顔を一瞥する。


予想とは裏腹に、与崎の顔は「仕方ねえな」とでも言いたげな微笑を浮かべていた。

「あんなの助けたうちに入らないから。引け目感じることねえよ」

「そっか」

そう答えたはいいものの、ベッドから顔を出すタイミングに困る。


暗闇の中でうだうだと考えていると、与崎が「あ、そうだ」と声を上げた。

「お前が寝落ちした後に気づいたんだけど、美弥、お前頭にたんこぶできてたぞ」

美弥は即座にベッドから顔を出し、「えっ、そうなの?」と焦った。

サイドテーブルの手鏡を取り上げて顔を映したが、特に変わったところはない。

「いや、後頭部だから。しかも結構大きいやつ」

「マジで? うわー、最悪。学校行くとき恥ずかしいじゃん」

美弥は手鏡を置き、「いつできたんだろう。殴られて気絶したときかな」と独りごちる。


「……あ?」

与崎が鋭い声を上げ、眉をひそめた。