__________
「お前、そろそろ飯食える?」
与崎の声で美弥は目覚めた。
美弥の顔を上から覗き込んでいる与崎と目が合う。
美弥は目だけをキョロキョロと動かし、辺りを見る。
美弥は自分の部屋のベッドに横たわっていた。
風邪を引いて寝込んだのは事実だが、途中で一悶着あった気がする。
「あれ、私玄関で寝落ちしなかったっけ?」
美弥は玄関で急激な眠気に襲われたことを思い出した。
自分の部屋までは帰れなかったはず。
それなのに、今はなぜか部屋のベッドにいる。
「運んでくれた?」
与崎は否定も肯定もしなかったが、微かに顔が赤くなっていた。
「どうやって運んでくれたの? 横抱き? まさか引きずってったわけじゃないよね?」
「な、なんでもいいだろ」
与崎はうろたえつつも素っ気なく答えた。
それにしても、なんで玄関で寝落ちなんてしたんだっけ。
確か私、変な夢見て親父のこと思い出して……からの、過呼吸。
それを思い出した瞬間、顔が燃えるように熱くなった。
逃げるようにベッドの中にもぐり込むと、与崎は「どうした?」と不思議そうに声をかけてくる。

