落ちこぼれ悪魔の扱い方

与崎は美弥の背中を撫で続けながら、「吸うより、吐く方意識した方がいいな」と優しげな口調で言う。


与崎に言われた通りに呼吸を続けると、だんだん普段のものに近づいてきた。

「そうそう、そんな感じ」


乱れた呼吸はすぐには治らない。

それでも与崎は根気強く美弥に寄り添ってくれる。

背中に触れる手の温かさも、美弥の心を安心させてくれた。


しばらくすると普段通り息が吸えるようになり、頭痛も幾分か治まった。

「……もう大丈夫か?」

「とりあえずは」

そう答えると、与崎は「良かった」とほどけるような微笑を浮かべる。

美弥は気恥ずかしくなり、「ありがとう」と口の中で歯切れ悪く言った。

「どういたしまして」

与崎にしては珍しく、ちゃんとした返答をくれる。

余計に羞恥心に火を点けられ、美弥は与崎から視線を逸らした。


「どこ行ってたの? 心配したんだけど」

照れ隠しに美弥が言うと、与崎は「悪い、全然起きないから大丈夫かと思って……」と答えながらレジ袋の中を漁る。