落ちこぼれ悪魔の扱い方

美弥は痛みに悶絶し、目をぎゅっと瞑った。

暗い瞼の裏で、色々な映像がフラッシュ動画のようにパッパッと浮かんでは消える。

映像には共通点があった。

……全て、父が映っている。


これ、前にも経験あるような。


美弥は、与崎に父の写真を見せられたときのことをぼんやりと思い出した。

しかし今回はその時の比ではない。

記憶の蓋をねじ切られているような、壮絶な苦痛。


ヤバい。頭裂けそう。

本当に裂けたら前原美弥じゃなくて、空豆原(そらまめはら)美弥に改名だな。


そんなくだらない思考に身を任せる余裕はなく、美弥は記憶の奔流に何とか耐えようと必死だった。


「与崎……」

美弥はほぼ無意識に、そう呟いていた。

「……頭痛い! 薬持ってきて!」


出せる限りの大声で、そう頼む。

しかし家の奥からは物音一つしない。

美弥は顔を上げ、呆然とした顔でドアを見つめた。


「与崎?」


そう呼びかけても、辺りは静まり返っている。

耳を壊しそうな静寂に耐えられず、美弥はベッドから立ち上がった。

「与崎! いないの!?」