そう、普通の子扱いをしてもらえないのは父のせいだけではない。
美弥を『ワケありの子』たらしめているのは、主に真珠の環関連のことだ。
自分の命を脅かされた上に、普通の子という地位まで奪われる。
美弥は父を憎むことで、自分の身に降りかかった不幸を仕方ないものとして受け入れようとしていたのだ。
「親父のこと恨んでたのは、確かにお門違いだったと思う。親父の復讐って言って与崎のこと騙してたのも、最低なことしたなって反省してる」
美弥は鏡を見据えながら、はっきりと言った。
「でも、何とも思ってないわけじゃない。それは分かってほしいの!」
美弥は断言する。
今のところ、父に伝えたいことはそれだけだ。
復讐も何も果たしていない美弥に、これ以上語る資格はない。
「……美弥」
鏡の向こうから、控えめなボリュームで父の声が聞こえた。
「俺は、一日たりともお前のことを忘れたことはない」
父の声が言う。
何のことか理解できない美弥は、鏡を見つめたまま次の言葉を待つ。
「だから、お前に忘れられたままっていうことが耐えられないんだ」
声は狂気を帯び、美弥の耳を怪しく通り抜ける。
鏡の向こうから二本の腕が伸びてきた。
美弥を『ワケありの子』たらしめているのは、主に真珠の環関連のことだ。
自分の命を脅かされた上に、普通の子という地位まで奪われる。
美弥は父を憎むことで、自分の身に降りかかった不幸を仕方ないものとして受け入れようとしていたのだ。
「親父のこと恨んでたのは、確かにお門違いだったと思う。親父の復讐って言って与崎のこと騙してたのも、最低なことしたなって反省してる」
美弥は鏡を見据えながら、はっきりと言った。
「でも、何とも思ってないわけじゃない。それは分かってほしいの!」
美弥は断言する。
今のところ、父に伝えたいことはそれだけだ。
復讐も何も果たしていない美弥に、これ以上語る資格はない。
「……美弥」
鏡の向こうから、控えめなボリュームで父の声が聞こえた。
「俺は、一日たりともお前のことを忘れたことはない」
父の声が言う。
何のことか理解できない美弥は、鏡を見つめたまま次の言葉を待つ。
「だから、お前に忘れられたままっていうことが耐えられないんだ」
声は狂気を帯び、美弥の耳を怪しく通り抜ける。
鏡の向こうから二本の腕が伸びてきた。

