落ちこぼれ悪魔の扱い方

「ふーん。で、どうして浜まで来られたの? 漂着したんじゃあるまいし」

与崎は口をつぐみ、後ろめたそうに視線を下方に泳がせる。


「与崎が助けてくれたんでしょ?」

美弥が尋ねると、与崎はびくっと肩を跳ね上げた。

「ま、まあ、一応、そうなるのかもな」

「一応って何、一応って」

追い討ちをかけると、与崎は言いにくそうに「……だって」と切り出す。

「女子助けるために海に飛び込むとか、なんかキザっぽくて恥ずかしいじゃんか」

「あんたがそれ言う?」

美弥は呆れて目をむいた。

「初対面の時に少女漫画みたいな喋り方してたくせに?」

「それとこれとは別だろ」

与崎はモゴモゴと言い、赤らめた顔を逸らす。

大人びた見た目に似合わない、少年のようなはにかみ方だった。


「まあ、その話は置いといて。与崎はどうして私の居場所が分かったの?」

美弥が話題を変えると、与崎はようやく「ああ、それは……」と元の調子に戻った。

「お前の『助けて』って声が聞こえてたから」

「地獄耳だね」

「違う。依頼人の願いは必ず聞こえるようになってんの」

平然と言う与崎。美弥は「ん?」と首をひねる。