落ちこぼれ悪魔の扱い方


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「てか、ここどこ?」

美弥は体を起こし、辺りを見回した。

真上にはやや傾いた太陽と、雲一つない青空が見える。

気温からして、多分まだ朝だろう。


背後には海が広がっていて、地面はどうやら砂浜のようだ。

波打ち際からは少し距離があるので、これ以上濡れる心配はない。


青い空、輝く海、白い砂浜。

観光案内の写真にでも載っていそうな、爽やかな雰囲気のビーチだ。

足元の吐瀉物さえなければ。


「どこって、覚えてねえのか?」

与崎は不服そうに眉根を寄せる。

形の良い眉。手入れをすれば、もっと垢抜けた印象になるかもしれない。


美弥のぶしつけな視線に気付くと、与崎は慌てて頬の傷を手で覆った。

「え、本当に覚えてねえの?」

美弥が黙っていると、与崎はごくりと唾を飲み込み、「まさか……」と心配そうな様子で口を開いた。


「……俺のことも? 覚えてない?」

「声と格好だけ見れば与崎だけど、全く心当たりがない」

「分かってんじゃねえか!」

言いながら、与崎はちょっと面白そうに口角を上げる。

美弥も「当たり前じゃん」と笑った。