落ちこぼれ悪魔の扱い方

美弥が若い二人に挟まれて座っているのを確認し、大柄な男が運転席に座ってエンジンをかける。

車のディスプレイに時刻が表示され、美弥は驚きのあまり目玉が飛び出るかと思った。


四時十六分。


真夜中どころか、明け方近いじゃないか。

どんだけ寝てたんだ、私は。

絶対途中で睡眠薬か何か注射しただろ。


というか、待てよ。

こんな時間まで眠らせておくってことは、やっぱり私のことを……。


「そんなに怯えることはない」

美弥の考えをバックミラー越しに見透かしたのか、大柄な男は押し付けるように言う。

「長丁場にはなるが、少し遠出だ。君に来てもらいたい場所があるんでね」

男はそう言って美弥を振り返る。

初めて見た男の笑顔は、蔑みと敵意が全面に押し出されていた。



車で走ること十五分。

どんどん人気のない方へ進んでいるようで、窓の外には街灯一つ見つけられない。

フロントガラスに目をやると、裸の山道がヘッドライトの中に浮かび上がっていた。


まさか、ね……。


美弥は覚悟を決めて「あの……」と声を上げた。両隣の二人が同時に、美弥に視線を向ける。