落ちこぼれ悪魔の扱い方

美弥はまた薄く目を開け、部屋を観察する。

やっぱり倉庫のような、コンクリート打ちっぱなしの広い部屋だった。

天井はなく上は屋根裏で、いくつもの電灯が壁に備え付けられている。


続いて美弥は、気づかれないように注意しながら入ってきた人たちに目を向ける。

先頭は、美弥を拉致したガタイのいい男だ。

さらに後ろから、二人の男女が現れる。

先頭の男は四十代くらいのおじさんだったが、後の二人はまだ若かった。


歳も性別もバラバラな三人の共通点は、真珠のピアスを付けていることだった。


真珠の環……!


美弥は思わず息を呑んだ。


若い男がバケツを持っている。

なんでバケツ? と思っていると、美弥を一瞥した若い男がバケツを両手で持ち、美弥の頭上に掲げる。

……あ、分かった。そういうこと。

男がバケツを傾けるより先に、美弥は素早く跳ね起きた。

それでも全く動じない三人を見渡し、美弥は麻痺したように震える口角を無理矢理引き上げた。

「お、起きましたから。モーニングコールは結構です」

水をぶっかけられるんだから、モーニングコールじゃなくてモーニングスコールか。


馬鹿馬鹿しいが、こんなことでも考えないと恐怖で圧されそうだ。

美弥は余裕ありげな笑みで三人を迎えてやった。