そこで意識を取り戻し、美弥はハッと目を開けた。
「……よく寝たわ。いや、正確には気絶だけど」
独りごちながら、目だけをギョロギョロと動かす。
辺りは真っ暗で何も見えない。
……それにしても、ずいぶん昔のことを思い出していたような気がする。
あんなことを考えてしまったのは、自分が冷たい床にゴロ寝しているせいだろう。
美弥は起き上がろうとしたが、腹部に鈍痛が走り、思うように動けない。
そういえば腹パンされたんだ。
頭も殴られた。
後頭部が熱っぽくてズキズキする。
仕方なく美弥は、床に寝そべったまま現状の把握に努めた。
床はコンクリートだろう。
さっきの声の反響からして、広さは倉庫くらい。
美弥はそんな空間に、拘束もなしに転がされていた。
靴も履いたままだ。
「スマホは……さすがにないか」
ポケットをまさぐっていると、微かな足音が聞こえてきた。
美弥は慌てて目を閉じ、気絶しているフリをする。
足音が部屋の前で止まると、鍵を開ける音、そしてドアが開くバンッという音が聞こえる。
部屋の電気が点けられたようで、まぶしい明かりが瞼の外側から伝わってきた。

