落ちこぼれ悪魔の扱い方

一拍遅れて、美弥は猛烈な後悔に襲われた。


さすがに言いすぎた。

後半なんて、ほぼ罵声だったし。


美弥の熱は一瞬で冷め、代わりに、何とも言えない罪悪感が押し寄せてくる。


完全な八つ当たり。これは私が悪い。


美弥が謝ろうとした時、与崎がぼそりと呟いた。

「……お前の方こそ」

美弥は改めて与崎に目を向け、ぎょっとした。

ドス黒い怒りの雰囲気が、ベールからにじみ出ていたのだ。

「俺を何だと思ってんだよ」


氷雨のように冷たい声。

美弥は思わず怯んだが、とにかく謝ろうと必死に口を動かす。

「ご、ごめん……」

「謝んな!」

与崎に声を荒らげられ、美弥はびくっと身をすくませた。

「人のこと散々蹴りつけておいて、またそうやって許されようとしてんのか。そういうところ本当卑怯だよ、お前」

与崎は早口になり、容赦なく感情をぶつけてくる。

「最初に嘘ついたのはお前だろ。それを全部俺が悪いみたいに言いやがって。全部お前のワガママじゃねえか」

美弥は俯いて聞いていた。

反論はしない。元はといえば、美弥からふっかけた喧嘩なのだから。 

何も言わない美弥に呆れたのか、与崎は大きく息を吐いて自分を落ち着けている。

「とりあえず、そういうことなら協力はできないから。殺しなら他のやつにでも頼め」

美弥は顔を上げ、上目遣いに与崎を見る。