傷だらけの夜と余花の雨

走っていることに夢中になっていた私達は気つけば学校の校門が見えていた





「私が1番!」






零央を追い越し私が先に玄関に入って喜んだ





「元々競走なんてしてなかっただろ?」





「そうだけどさ!遅刻しないですんだじゃん零央も!」





「ふっ、確かにな」






と軽く笑い話をしながら教室まで繋がる廊下を歩いた





「俺、ちょっと屋上行ってくるわ、」





「うん、わかった!朝のホームルームまでには帰って来てよ!」





「はいはい、」





そう言って呆れた顔をしながら零央は屋上の階段を登って行くところを見送った





「これ絶対帰ってこないやつだ、はぁ〜多分今日1人だなぁ」





そんなことを呟いて自分の席に荷物を置き座った時、隣の席からどんよりとした空気が流れていた





私は気になって目線を向けると隣の席の子は机にうつ伏せになっていた





(え!?これは寝てる?それとも具合が悪い?どうしよう?声をかけるべき?そーとして置いた方が?でも...心配だし、う〜ん、よし!)





私は悩みに悩んでその子に声をかけることにした




「あの〜具合悪い?大丈夫?」