傷だらけの夜と余花の雨

「あ、あ〜大丈夫です、具合が悪い訳じゃないので」




俺がそう言うとその子は




「良かった〜私がここに座った時机に顔を埋めてたから具合が悪いのかなぁ〜って思って」




「ごめんね、心配かけるようなことしちゃって」






「ううん!全然大丈夫!」





(この子めちゃくちゃ優しいんですけども!?さっきの時と全然雰囲気違いません?思ってたの違いすぎる!)





俺は望海と離れた寂しさなんて忘れて隣の席の子が気になって仕方なくなっていた





(なんでこんなに優しいの?普通隣だからって心配する?それよりさっき一緒に登校してた人はどこ行った)





俺は疑問に思い勇気を出して聞いてみることにした





「あの〜さっき一緒に登校してきた子はどこにいるの?」





「さっき一緒に来てた?あ〜零央のこと?零央なら「ちょっと屋上行ってくる」って言って荷物持ったまま行っちゃったよ!一言言ってくれるからいいけど、いつも学校来るとどっかいちゃうんだもん!はぁ〜」





隣の子は悲しそうな顔をしていた。
その顔を見るとさっきまでの俺と似ている気がした。






「俺も、その気持ち分かるなぁ〜誰かと一緒って楽しいよね〜」






「そうなんだよ!1人って寂しいし、嫌なこと考えちゃうもん、」




俺が小声で喋ったことが隣の子に聞こえていたようで返事が帰ってきたがまた俺も同じだと気づいた





「それ凄くわかる!」






「私たちってもしかして気が合うのかな?」








「そうじゃなきゃこんなに会話続かねぇーよ」







隣の子と話していると何故か望海と一緒にいる時のように心が次第に奪われっていた






「話に夢中で自己紹介するの忘れてた、私、朝日凪!」





そういえばと思い俺もすぐさま名前を言った





「俺は、神崎璃空」






「よろしくね!」






「うん!よろしく!」





(まさか話せる人が出来るなんて!これは望海に絶対に言わないと!朝日さんか〜なんかちょっと楽しみ増えたかも)





俺はちょっぴり笑顔が溺れた