傷だらけの夜と余花の雨

気がつけばもう学校の校門前だった




「じゃ、また放課後に!」




「はーい!」




望海と別れ、それぞれの自分の教室へと足を進めていこうとしたその時




「私が1番!」




「元々競走なんてしてなかっただろう?」




淡い紫色の髪をなびかせて元気に登校する女子
と苦笑いしながらこっちに向かってくる男子がいた




(すごい元気な子だなぁ〜それにしても髪綺麗、ケアするの大変そう〜あの男子はなんか呆れてるしwwまぁ〜俺には関係ないけどね)




そう思いながら廊下を歩き始めた。





(え、なんか視線感じるんですけど)





俺は一瞬後ろを振り向いた。するとそこにはさっきの2人組が仲良くしゃべていたのだ。





(え?まさか、俺と同じクラスってことは無いよね〜まぁ〜関わることないし、いっか)




教室の扉を開け、自分の席に荷物を置いた





「はぁ〜望海がいないのしんど」





さっきまでの楽しさが一瞬に消え、現実を突きつけられた気持ちになった





「今日やっぱり来るんじゃなかった〜」





俺は机に顔を埋めた





「あの〜具合悪い?大丈夫?」





「え?」




その声に驚き俺は顔を上げた、その先にいたのはさっき元気に登校していた女の子の姿だった