青の葉の、向かう明日。

「あはははっ!田舎者丸出しっ…!」


ん?

いや、でも。

その、まさか、かもしれん。

あたしは目を瞑りながらゆっくり回れ右をした。

顔を上げると、視界が広がっていった。


「あ」


そこにはあたしの良く知る人がいた。


「清澄朔、みっけ」


彼はあたしの姿を見てお腹を抱えながら笑っていたが、やがてツカツカとこちらに歩み寄って来た。

あたしの瞳に変わらぬ美しいお月様が映る。

やっぱりいつ見てもきれい。


「来れたんだ」

「当たり前。これだけあたし、がんばったんだから。やってやるって奮起していろいろ乗り越えてここまで来た。来れたら、言おうと思ってたことがあるから、聞いてほしい」


あたしがふと視線を落とすと足元に可愛らしい黄色のたんぽぽが咲いていた。

そして、どこからか鳥のさえずりが聞こえる。

春風が優しく頬を撫でる。

空に白い三日月が見える。

目の前のお月様は、

あたしが…

幸せにしたい。


「ずっと好きでした。あたしと…付き合ってください」


彼はふっと笑った。

彼の手が伸びて私の頭の上で着地した。


「良くがんばりました。返事は…まぁ一応考えとく」

「…そっか。……ありがとう」


あたしは笑った。

笑っていればいつか未来が変わるかもしれない。

ううん、少しずつでいい。

ありのままのあたしで、

少しずつ、変えていこう。

まだあたしの言葉は拙く、

作者として幼く脆い。

それでも、自分の人生という1番大切で壮大な物語を最後まで前向きに描ききりたいと思う。

だから、これはあたしの…深沢明の物語。

青の葉の、向かう明日が

今日より眩しく尊いものになるように、

あたしは一生懸命描くよ。

これからもずっと。

願わくば、大好きな

君のとなりで。