すみれがかけた最後の糸を、
高橋がパチンと切る。
「バイタルは」
「今のところは落ち着いているが、
VFに備えた方がいい」
すみれの問いに、雅俊が答える。
梶木がすみれを見て言った。
「あとはやっておくから、
君は帰って休みなさい。
この子が今後どうなるかは、誰にもわからない」
「…はい」
すみれはガウンを脱いで、
挿管されている夢乃の顔を見た。
まだ少しだけチアノーゼ気味だが、
色は先ほどより改善している。
同じくらいに白い手で、
その小さな頭を撫でる。
「ロクロ切った?」
「これから切る」
「そう」
小さく呟いて、夢乃のそばを離れた。



