パーフェクト・フィグ



男の力はやはり強い。

圧迫止血を、容易にして見せた。


「はい、縫合してください」


すみれが手を出すと、
その手に針糸が渡される。

改めて隣を見ると、
すみれは器械出しの看護師を見て更に驚いていた。

器械出し看護師が小さく頷く。

すみれは順に周りのスタッフを見渡した。

最後に、雅俊はすみれと目が合った。


お前は一人じゃない…


そう伝えるように、雅俊も頷いて見せた。

その想いが届いたか否か、定かではない。
だが、すみれは両目いっぱいに涙を溜めていた。

ぎゅと目を閉じると、マスクの下を雫が伝っていく。

すみれは上を向いて鼻をすすると、
気合を入れ直したかのように、縫合を始めた。