パーフェクト・フィグ




一人でこのまま進めるには、
出血を抑えつつ縫合していかなければならない。

なかなか苦戦しながらも、
すみれは必死に器械を駆使していた。

手を貸せない自分に、
雅俊がもどかしさを感じていると、
梶木と後輩の高橋が入ってきた。


「またこんな狭いところで」


雅俊は、まさかまた梶木が手術を中止しろ
と言うのではと思った。

さすがにこの状況では、と身構えたところで、
梶木が自分の手袋とガウンを出すよう
看護師に命じていた。


「一人でやろうなんて水臭いね」


対面に立ってそう言うと、
すみれがゆっくりと顔を上げた。

汗が滴り、頬は赤らんで、
ふらふらになりながらも立ち続けてきた。

そんなすみれの目が、大きく見開かれる。

梶木はガーゼを受け取り、
すみれが抑えていた出血点を圧迫した。