すみれが動きを止めたことで、
周りのスタッフたちも次の行動をとれずにいた。
そんな時ではないと、
誰もがわかっているというのに。
すみれは一見至って冷静だった。
だが、判断がつかないことに
焦っているのがよくわかる。
雅俊は俯いたままのすみれを見て、
弟を見守るような感覚が込み上げてきた。
体調も優れず、
今も立っているのがやっとのはずだ。
いつものように動けないことに、
苛立つのも無理はないだろう。
雅俊は人工呼吸器の設定を変えつつ、
すみれに届くように言った。
「焦るな。お前ならわかる」
「…」
「まだ、この子は生きてるぞ」
「…ぁ!」
すみれはハッと顔を上げた。
そして、モニター画面を操作しつつ言った。
「この子の担当者連れてきて」
「はい!」
出て行った看護師が連れてきたのは、
いかにも若手な看護師だった。



