ほんの数分前まで、
意識が薄れる程の状態だったくせに。
自分の患者のことになると、
まるで別人のように立ち上がって
駆け出して行った。
気合と根性なのか、
使命感からなのかは不明だが、
あの小さな体は
とっくに限界を迎えているはずだ。
それなのに、何故なのだろうか。
何故、あそこまでになれるのだろうか。
雅俊には、全くわからなかった。
理解できそうにもなかった。
命懸けにも、程があるだろ…
だが、このまま放っておくことが
できるはずもなかった。
「ったく…」
大きなため息を一つついてから、
雅俊は受付を飛び出した。
すみれが向かった先はどうせ、
ハートセンターだろう。
階段を駆け下り、
勢いよくドアを開けて中に入った。



