雅俊は、すみれが座ったまま
寝ている椅子の隣に腰かけ、
パソコンの電子カルテを開いた。
一応顔色を窺おうにも、
まるで顔面が机に溶け込んでいるようで、
何も見えなかった。
あまりに細く白い腕には、
血管が浮き出ているのがよくわかる。
点滴が入れやすそうだな、
と思って見てしまうのは、
麻酔科医の性だろう。
雅俊が記録を打ち込んでいると、
突然ガバッと身体が起き上がった。
「…!」
思わず隣を見上げると、
すみれがゆっくりと立ち上がっていた。
今にも倒れそうな様子に
「大丈夫か」と声をかけるも、
すみれはふらふらと歩いていき、
そして…
バタンッ
と派手に倒れた。
「おい!」



