「機転が利いて、 判断に迷いがなく、ミスもない。 実に優秀な医師のようですね」 雅俊は後ろから誰も来ないことを確認して、 柄にもなく耳を澄ました。 東郷が静かに笑って言った。 「先日伊東先生の方から 直々に依頼されたんですよ。 藤原を自分のオペにつけてくれと」 「やはりそうでしたか。 まぁ、藤原先生はいい迷惑と 思っているかもしれませんけどね」 中年組の消え入りそうな 笑い声に背を向けて、 雅俊はその場を後にした。