後半に差し掛かった午後2時過ぎ。
今日の麻酔科当番医の
新谷が部屋に入ってきた。
「お二人さん」
相変わらず欠伸をしながらの登場だ。
「代わります。
飯食ってきてください」
松島が「あざっす」と返事する横で、
雅俊はすみれをチラッと見て言った。
「俺は、いい」
「えっ、何でですか」
松島が慌てて口に手を当てて言った。
「今行っておかないと、
もう行けないですよ?」
大画面に映る奏輔の心臓は、
まだ人工心肺の影響で停止したままだ。
つまり、一番安定した状態。
麻酔科医が1人になっても、
問題ないタイミングと言える。
だが、雅俊には
気がかりな点がいくつかあった。



