子どもの先天性心疾患は、
エコーや3D画像でも見落とすような
イレギュラーなことが多くある。
いわば、
胸を開けてみるまでのお楽しみ、に近い。
些か不謹慎ではあることだが。
胸骨を開けたところで、
梶木が一言呟いた。
「小さい」
第一助手のすみれは
返事をする代わりに咳を一つ。
雅俊は画面に大きく映し出された
奏輔の心臓の映像を見た。
梶木の言う「小さい」とは、
恐らく右心の大きさのことだろう、
と雅俊は思った。
右心室部分の発達が未熟に見える。
手術の難易度が上がるのでは、
と考えたところで、
すみれが咳をしつつ言った。
「代わりましょうか」



